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たとえ話をひとつ。 [フィクション]

正規軍がありました。傭兵部隊がありました。傭兵部隊は国が傭兵団に依頼して、派遣されてきた傭兵で構成されています。
傭兵部隊は正規軍の指揮下にはありません。傭兵部隊は元々正規軍に組み込まれることを目指していましたが、いろいろな要因でゲリラ的な活動を行っています。
結果から見ると、傭兵部隊は国軍全体にとって大きな貢献がありました。だから、正規軍の大将もかねる国軍大将も傭兵部隊に対して敬意を払っていましたし、正規軍の軍人も傭兵部隊をそれなりに頼りにしています。
国を守るという目的に対して、国軍の名のもと、正規軍も傭兵部隊も協力し合って敵に向かっていたのです。

あるとき、傭兵部隊の母体である傭兵団から団長が傭兵部隊の視察に来ました。団長は、国軍にこそ籍をおいてはおりませんが、国の要職を占めています。
視察の目的は、傭兵部隊の戦略の検討です。そこには国軍大将も呼ばれました。

戦略の検討が始まり、傭兵部隊に団長から色々と戦略における課題が指摘されました。
最初の内、正規軍の大将も課題にうなずいていたのですが、指摘が次第に傭兵部隊の国軍全体に対して果たす役割にまで及ぶようになると、大将の表情がだんだん険しくなっていきました。
指摘そのものは傭兵部隊に対してのものです。ただ、傭兵部隊が国軍全体に対して影響がある以上、指摘は国軍全体のあり方に対するものとなりました。
団長の指摘は正論であり、それは国軍大将も認めます。その理想を目指して、国軍大将は戦力も厳しい中、正規軍を指揮し、傭兵部隊に協力を仰ぎ、これまで難局を何とか乗り切ってきたのです。難敵を相手にして理想に至れなかったのは自分が一番よく知っていますが、それでも最善を尽くしてきたのです。
国軍の一部でありながら自分の権限外にいて、軍律もあやしい傭兵部隊に対しても、その貢献を認めて敬意を払ってきました。
だけど、これはあんまりです。

とうとう最後に国軍大将は叫んでしまいました。
「ゲリラ部隊だと思っていたから、今まで傭兵部隊のことは目をつぶってきました。だが、傭兵部隊が国軍のあり様にまで口を出すというのであれば、まず国軍としてやるべきことがあるのではないのですか」

以上、本日私の目の前で起きた出来事。
・・・たとえ話ですからね。この状況、この台詞そのままが私の目の前で繰り広げられていたわけではないので、ご注意を。


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