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「どうしよう」 [フィクション]

「あ、ここわからない。"わからなかったら訊け"って言ってもらったし、先輩に訊こう。先輩、あの、わからないところがあるんで、教えてもらいたいんです」
「あ?何がわかんないって?」
「え、えぇっと、ここがよくわからなくて・・・」
「ああ?忙しいんだよこっちは。何でも聞きゃあいいと思ってんじゃねえぞ。質問すんなら、手間とらせんなよ」
「・・・す、すみませんでした・・・」

「え、ええっと、よくわかんないや・・・。でも、この間、考えなしで質問しにいって、ご迷惑かけちゃったし・・・。わからないところを調べて、質問することを洗い出して・・・ええっと・・・」
「何ちんたらやってるんだよ」
「あ、せ、先輩。え、ええと・・・」
「わからないんだったら質問しろっつってんだろ。何人の話きいてんだよ。考えたってお前にわかるわけないだろうが」
「す、すいません・・・」

「・・・(ど、どうしよう、どうしよう・・・。またここわからない・・・。またご迷惑をかけて怒られる・・・。で、でもわからないと、作業が進まないからやっぱりご迷惑になってしまう・・・。やっぱり、教えてもらおう・・。手短にしなきゃ・・・)せ、先輩、どこだろう・・・。あ」
「・・・何さまのつもりなのかね」
「え?」
「あいつ、ろくに確認もしないんだぜ。自分自身が完璧なつもりなのかね。ぎゃっはっはっはっは」
「・・・(そ、そんな、そんなつもりじゃ・・・ぼくは、ぼくは・・・)」

「・・・どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どう・・・」


これで、「理不尽だ!」とか怒鳴れていれば、また展開は違っていたんだろうがね。
本当に理不尽かどうかはともかく、まともに直撃されずに済んだろうさ。


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