「あれは、なんだったんだろうって」 [フィクション]
「私、今でも不思議に思っていることがあるのね」
「何?」
「昔、そのときいたチームが、チームリーダー命令で、業務時間中に全員で会社を抜け出して花見に行ったことがあるのよ。6,7人ぐらいかな。リーダーの下にサブリーダーが二人いて、その下に私も含めた作業員」
「はぁ・・・、いまどき珍しいというか、よくやるねぇ」
「花見は、ま、盛り上がったのね」
「よかったじゃん」
「だけどさ」
「何」
「その1ヵ月後ぐらいに、一人は役に立たないってサブリーダーともめて、他部門に異動。3ヵ月後ぐらいにもう一人も異動。私は私で、花見の時点で既にサブリーダーと人間関係こじれていて、2ヵ月後に休職。サブリーダーのうちの一人も、一年経たないうちに、会社ともめて、辞めたのね」
「はぁ・・・」
「私さ、未だに不思議に思うのよ。あの花見は、なんだったんだろうって」
「・・・プレッシャー、かね」
「何?」
「動物とか、さ。ストレスがたまってくると、弱いものをいじめるっていうじゃん。いじめがあったわけじゃないんだろうけど、チーム内でぎすぎすしてたんだろうよ。リーダー、それを何とかしたかったんじゃないか?」
「・・・そう、かもね」
「・・・・・・・・・」
「ただでさえ、新設部署で社内から異端視されていたし。常に異端で見られていたリーダーにとっては、やっとできた自分の仲間だったからね・・・。何とか、守りたかったのかもね・・・」
ああ、なんだかすごくよく分かるなぁ・・・
最近、自分も一時期を共に駆け抜けた仲間たちと別れることになったのですが、
その喪失感というか、なんとかしようとした自分の在り方の虚無感、
思い出したりします・・
ちょうど、これを聴きながら拝読していたせいか、ちょっとホロリとしました。
お渡しする時には落ちてなければいいのですが。
http://youtube.com/watch?v=aBPoIripW14&mode=related&search=%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1
by もん (2006-06-20 16:55)
>もん・とれぞーさん
コメント&nice!&曲のご紹介ありがとうございました。
切ない曲ですね。。。
しばらく前に、自分が仲間だと思っていた人達と音信普通になりました。
自分としては真剣に相手に向き合ってぶつかっていたのですが、相手とはかみ合わなかったようです。
それでも、他人に真剣に向き合った自分も、それだけ考えさせた相手も、誇りに思っています。
今、どうしているかもわかりませんが、幸せであって欲しいですし、もし、まためぐり合えたとき、まっすぐ相手に向き合えるようにしていたい、ですね。
ありがとうございました。
by Mishika (2006-06-20 20:31)
Mishikaさんのレスで思い出したといいますか、
ちょうど、自分にとっての正義や価値観が、相手にとって同調、感じ入るものばかりではない、ということを自分も最近身をもって痛感したところなので、実に耳が痛いところがあるのですが、これは人間関係に常についてまわるものですね。
それに相手が触れて理解してくれる時期がくるのが十年先かもしれないし、こちらが猛省しなおすのが十年先なのかもしれません。
by もん・とれぞー (2006-06-23 04:24)
>もん・とれぞーさん
再び、ありがとうございます。
以前にコメントでおっしゃっていただいた「琴線」にも近いことかなと思っています。
確かに、一緒にいるからといって、同じことを感じ、同じものをみるわけではないですし、もしかしたら分かり合えないままかもしれですね。寂しいですけれど。
だけど、それを裏返せば、一見何のつながりも見えない人でも
何かのきっかけで通じ合うものがあるかもしれない、とも言えるのかな、と。
こうして、もん・とれぞーさんとやりとりさせていただけるのも、そういった縁なのでしょうし。
そうやって巡っていくのかなって思ってます。
by Mishika (2006-06-24 00:44)