キモチワルイ。 [フィクション]
「まだ何とも。まだ成果出すほど仕事してないからね。ただ・・・」
「ただ?」
「何だかやたらとまわりの会話に入り込んでこようとするの」
「?」
「溶け込もうと努力してるのかなとも思ったんだけど、それにしては、話をろくに聴かないうちから"それはいいことだね"とか言うのね」
「・・・誉められてる、んだよね?」
「誉めてるんでしょうね。何を以って誉めているのかわからないけど」
「・・・"何を以って"ってのは、基準ってこと?中身ってこと?」
「両方。何がどういう理由でいいとか言うことはないし。話の中身や、話している人の立ち位置、目的と自分に期待された役割がわかっていたら、そもそも会話に入ってくるとは思えない、のね」
「"わかってない"んだ」
「うん。"わかってない"」
「"わかってない"ってことは伝えた?」
「ううん。"わからない"だろうなと思ったから」
コメント 0