「残業多い奴ってもてないよな~」 [フィクション]
「違うんじゃねーの」
「ああ?じゃなんだってんだよ」
「お前が残業多いことを理由にして彼女をないがしろにしたから、だから、それを理由にして振られたんだよ」
「・・・・・・」
「俺はそう言われたくなかったんだよ」 [フィクション]
ある人が仕事を辞めることにしたと言った。
同僚が言った。
「誰かが辞めるとき、いつも決まってから話をされるんだ。もっと前から、話を聴けていたら何かしてあげられたんじゃないかって思う」
これは心からの台詞だった。
それを受け、辞める人が何故周囲に相談しなかったのか、ぼそぼそと話し始めた。
曰く。
話した方がよかったのだとは思うが、誰にどう話せばよいのかわからなかった。
話して、反対とかお前が違うとか言われたら、気持ちが揺れるし。
「そこで、ためらうんじゃなくて、もっと話しておかなければならなかったんだよ」と誰かが言った。
辞める人が言った。
「それはそのとおりだとおもう。だけど、俺はそう言われたくなかったんだよ」